施工経験記述「環境保全(建設副産物・リサイクル)」の書き方|現場8年が例文と型を解説【2024年改正対応】
施工管理技士の第二次検定で出題される経験記述「環境保全(建設副産物・リサイクル)」の書き方を、ゼネコン施工管理8年の立場から解説。減量・分別・再資源化の留意点、減点されない例文の型、関連法令の押さえ方まで独学者向けに整理します。
本記事には学習サービスの情報が含まれます。紹介する内容は、現場8年の施工管理経験と運営方針に照らして掲載しています。
施工管理技士の第二次検定(経験記述)では、「工程管理」「品質管理」「安全管理」に加えて「環境保全(建設副産物・リサイクル)」が出題テーマになることがあります。
工程・品質・安全は対策する人が多い一方、環境保全は手薄になりがちです。私(森田 健)はゼネコンで施工管理を8年経験し、産業廃棄物の分別・再資源化の現場運用を実務で回してきました。その経験から、環境保全の経験記述は「現場で実際にやっていること」を型に流し込めば確実に書けます。
※私自身は施工管理技士検定に合格したという立場ではなく、現場経験と二級建築士の独学経験をもとに、これから独学で目指す方へ解説する立場です。
📌 結論(先に書きます)
- 環境保全テーマは**「減量化・分別・再資源化(リサイクル)」の3本柱**で組み立てる
- 課題は「建設副産物が大量に発生する見込みだった」など数量・現場条件を具体化する
- 留意した事項は法令(建設リサイクル法・廃棄物処理法)に沿った運用を書く
- 「分別を徹底した」だけでは弱い。誰が・どこで・どう分けたかの仕組みまで書く
- 工程・品質・安全の型と構造は同じ。準備しておけば本番でテーマが来ても流用できる
1. 環境保全テーマで問われていること
第二次検定の経験記述は、「あなたが現場で工夫・管理した経験」を問う問題です。環境保全テーマでは、おおむね次のような出題形式になります。
- 工事概要を書いたうえで、**「環境保全(または建設副産物)について、あなたが留意した技術的課題」**を1つ挙げる
- その課題に対して検討した内容・実施した処置を書く
- 結果としてどう改善したか・どう達成したかを書く
つまり「課題 → 検討・処置 → 結果」の3部構成です。これは工程・品質・安全と全く同じ骨格です。詳しくは「施工経験記述 書き方【最重要】落ちない型と例文」も参照してください。
2. 環境保全で書くべき3本柱
環境保全の課題は、次の3つのどれか(または組み合わせ)に落とすと書きやすくなります。
(1) 減量化(発生抑制)
副産物そのものを減らす工夫です。
- 型枠の転用回数を増やして木くずを削減
- プレカット材・既製品の採用で端材を削減
- 余剰コンクリートが出ないように配車・打設計画を精緻化
(2) 分別
現場で種類ごとに分けることです。
- 分別ヤードを設置し、種類別(コンクリート塊・金属くず・木くず・廃プラ等)に表示
- 作業員への分別ルールの周知・掲示
- 元請・協力会社合同での分別チェック
(3) 再資源化(リサイクル)
再生利用へ回すことです。
- コンクリート塊を再生砕石(再生クラッシャラン)として路盤材に再利用
- 建設発生土の現場内流用・他現場への有効利用
- 金属くずのスクラップ業者への引き渡し
この3本柱のどれを軸にしても構いません。自分が実際に経験した工事で書きやすいものを選ぶのが鉄則です。
3. 減点されない例文の型
ここでは「分別」を軸にした例文の型を示します(数量・固有名詞は自分の現場に置き換えてください)。
技術的課題
本工事は鉄筋コンクリート造の事務所新築工事であり、解体・躯体・仕上の各段階で多種の建設副産物が発生する見込みであった。狭隘な敷地で仮置きスペースが限られており、副産物が混在すると再資源化率が低下するおそれがあったため、副産物の適正な分別と再資源化率の向上が技術的課題であった。
検討した内容・実施した処置
- 工程ごとに発生する副産物の種類と数量を事前に予測し、分別ヤードを種類別に区画・表示した。
- 作業員への分別ルールを朝礼で周知し、掲示板に分別区分を図示して徹底を図った。
- コンクリート塊は再生砕石として再資源化する処理業者に引き渡し、再資源化率を管理した。
結果
以上の処置により、副産物の混在による再資源化率の低下を防ぎ、計画した分別・再資源化を達成できた。作業員の分別意識も定着し、後続工程でも適正な処理を継続できた。
このように、「現場で当たり前にやっていること」を課題・処置・結果に整理するだけで成立します。
4. 押さえておきたい関連法令
環境保全テーマでは、留意事項として法令に触れると説得力が増します。条文の暗記は不要ですが、考え方は理解しておきましょう。
| 法令 | 要点 |
|---|---|
| 建設リサイクル法 | 一定規模以上の工事で**特定建設資材(コンクリート・アスファルト・木材)**の分別解体・再資源化を義務付け |
| 廃棄物処理法 | 産業廃棄物の**適正処理・マニフェスト(産業廃棄物管理票)**による管理 |
| 資源有効利用促進法 | 建設発生土・副産物の再生資源としての活用 |
経験記述では「建設リサイクル法に基づき特定建設資材を分別した」「マニフェストで処理を確認した」といった一文を入れると、現場管理の実態が伝わります。
5. よくある失敗と対策
「分別を徹底した」だけで終わる
抽象的すぎて評価されにくいです。**「誰が・どこで・どう分けたか」**の仕組みまで書きましょう。
数量・現場条件がない
「副産物が大量に発生」だけでは弱いです。狭隘な敷地・工種の多さ・工期など、課題が生じた背景を具体化します。
環境テーマなのに品質や工程の話になる
軸がぶれると減点対象です。減量・分別・再資源化のどれを書くか最初に決めることが大切です。
6. 本番でテーマが来ても慌てないための準備
経験記述は、出題テーマがその年によって変わります。「今年は環境だった」ということが起こり得るため、工程・品質・安全に加えて環境保全も1本準備しておくのが安全策です。
準備の仕方は「施工経験記述は暗記でいい?本番で書き換える型」で解説した「型を覚えて本番で書き換える」やり方が有効です。環境保全も同じく、自分の現場の数量・工種に置き換えられる型を1つ持っておくことを意識してください。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 環境保全のテーマは毎年出ますか?
A. 年度・種目によって出題テーマは変わります。出るかどうかは断定できないため、工程・品質・安全とあわせて準備しておくのが安全です。
Q. 実務で環境保全をあまり担当していません。書けますか?
A. 分別ヤードの設置や副産物の処理は、ほとんどの現場で日常的に行われています。自分が見聞きした範囲でも、仕組みを整理すれば書けます。事実に反する創作は避けてください。
Q. 法令名を間違えると減点されますか?
A. 不正確な記述は避けるべきです。自信がない法令名は無理に書かず、「適正な分別と再資源化」など事実ベースの表現に留める方が安全です。
Q. 工程・品質・安全のどれと一緒に準備すべきですか?
A. まずは出題頻度の高い工程・品質・安全を固め、余力で環境保全を1本追加する順番がおすすめです。
8. まとめ
- 環境保全の経験記述は**「減量化・分別・再資源化」の3本柱**で組み立てる
- 構造は工程・品質・安全と同じ「課題 → 検討・処置 → 結果」
- 数量・現場条件を具体化し、**仕組み(誰が・どこで・どう)**まで書く
- 建設リサイクル法・廃棄物処理法の考え方を押さえると説得力が増す
- 本番でテーマが来ても流用できるよう、型を1本準備しておく
環境保全は対策が手薄になりがちなぶん、準備しておけば差がつくテーマです。現場で実際にやっていることを言語化すれば、確実に書けるようになります。
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